さつき先輩のお点前も龍崎先輩に負けてない。
またちがった美しさを持っていて、言うなれば、そうだなぁ。龍崎先輩は牡丹の花で、さつき先輩は百合の花……とか。そんな感じ。
って言ってもさつき先輩のお点前はまだ一度くらいしかちゃんと見たことないんだけどね。
……と。あれ?
「あら。さつきさん、袱紗は?」
『袱紗』とは茶道で使う布のこと。これがないとお点前は始まらない、とっても大切なもの。
「あれ……ええと」
慌てて周りを探すさつき先輩。こんな姿珍しい。
「すみません。持っていたはずなのですが」
「あらあら。困ったことね」
先生は言いながら自身の予備の袱紗をさつき先輩に手渡した。
「次からはしっかり確認なさってね」
「はい……」
先生の機嫌がそこまで悪くなかったことと、ほかの所作が完璧だったこともあってお叱りはなかった。さすがにさつき先輩が叱られたりしないよね。
「千菊さん」
「はい先生」
親子、と聞いていたから龍崎先輩はマサミ先生とどんなふうに接するのかなと見ていたら。それは思っていたよりもずっと『師弟』らしかった。
またちがった美しさを持っていて、言うなれば、そうだなぁ。龍崎先輩は牡丹の花で、さつき先輩は百合の花……とか。そんな感じ。
って言ってもさつき先輩のお点前はまだ一度くらいしかちゃんと見たことないんだけどね。
……と。あれ?
「あら。さつきさん、袱紗は?」
『袱紗』とは茶道で使う布のこと。これがないとお点前は始まらない、とっても大切なもの。
「あれ……ええと」
慌てて周りを探すさつき先輩。こんな姿珍しい。
「すみません。持っていたはずなのですが」
「あらあら。困ったことね」
先生は言いながら自身の予備の袱紗をさつき先輩に手渡した。
「次からはしっかり確認なさってね」
「はい……」
先生の機嫌がそこまで悪くなかったことと、ほかの所作が完璧だったこともあってお叱りはなかった。さすがにさつき先輩が叱られたりしないよね。
「千菊さん」
「はい先生」
親子、と聞いていたから龍崎先輩はマサミ先生とどんなふうに接するのかなと見ていたら。それは思っていたよりもずっと『師弟』らしかった。
