お抹茶王子にキョーミないですっ!

「……なに」

「龍崎先輩にさ、もし告白されたら、スズどうする?」

「え!? されるわけないよね。だって龍崎先輩にはさつき先輩がいるじゃん」

「……本気で言ってる?」
「言ってる」


 こくこく、と頷いて見せると、マヨはなぜか「か」と仰け反って白目を剥いた。なに、こわ。



 そんなこんな、わたしたちは茶道部として中学生活を過ごし始めたわけだけど。わたしは前よりもさらに龍崎先輩とは話したり関わったりしないようにめちゃめちゃ気をつけていた。

 だってね? さつき先輩が許嫁だとわかった以上、変に刺激したくない! 死にたくない! というのが一番の理由。そもそも本人たちはともかく、妹のやよいちゃんが常に目を光らせてるし。それがまじでこわいから。


 人気者の『お抹茶王子』を部長に掲げながらも茶道部に部員が多くない理由って、そこ、つまり『龍崎先輩の許嫁であるさつき先輩の存在』なのかな、と疎いわたしにもわかってきた。


 うっかり近づけば猛毒に当てられて即死。


 ひい、こわ。こわすぎる。

 これは大人しく過ごすに限るな、と胸に誓った。


 ……というのに。



「あら。あなたお名前は? スジがいいわ」

 どうして放っておいてくれないんですかああああっ!