お抹茶王子にキョーミないですっ!

 にっこりしてその蓋を取ってくれた。

 すると中にはピンクや黄色のかわいらしい小粒の和菓子が……こういうの、落雁(らくがん)とかっていうんだっけ?


「か、かわいい」


 ピンクは桜、黄色は蝶。とっても春らしくてかわいかった。

 食べるのがもったいないな、と思いながら、ぱくりと口に入れてみる。ゆっくりじんわり、甘くこっくり、溶けていく。


 そうしながら改めてしっかりと先輩の美しい所作を間近で眺めた。


 ……これが、茶の湯、かぁ。


 道具が、活きてる。正しく使われて、すっごく喜んでる。輝いてる。


 物に対してそんなふうに思ったのは生まれて初めてだった。


 すごい。すごく、素敵だった。