お抹茶王子にキョーミないですっ!

「はああああ…………」

 こんなにも疲れた一日は生まれて初めてだった。文字通り『目が回った』。

 ふらふらする足取りで、マヨとともに下駄箱へ向かう。

 保健室でひとやすみしたほうがいい気もしたけど、実際校内はまだ危険が多い。というか落ち着かない。だからとにかく早く帰ったほうが身のためだ。

 王子様?
 親衛隊?

 もうなに。わけのわからん三文字熟語でわたしの頭の中はぐちゃぐちゃだった。


「スズ、大丈夫?」

「大丈夫なわけない……」

「にしてもさすが『お抹茶王子』だよね、『親衛隊』だなんてさ」

 言いながらマヨが自分の靴箱から靴を取る。わたしも続いて自分の靴に手を伸ばす────ん?


「なにこれ」

「ん?」

 折りたたまれたメモ紙だった。


【スズちゃん。さっきのお詫びに一服ご馳走します。部室にいるから。ひとりでおいで。  龍崎】


 驚くほどの達筆だった。……ってそこじゃない!