お抹茶王子にキョーミないですっ!

 あっという間にわたしとマヨは数人の女子生徒に囲まれてしまった。

 上履きの色は二年生と三年生。

 あわわ。ひいいい! ヤバい。ほ、本気で殺されるようわあああおうううっ!


 ジ・エンド!?


「ご、ごごご、ごめんなさい、すみませんっ。もうしません、もう絶対近づかないし、気軽に話したりしないですっ! なのでなのでっ……ど、どうか、おお、お許しいただけませんかっ!?」



 わたし、お抹茶王子にキョーミないですからっ!!



 もういい。もう、いい。茶道部もやめる。過去も忘れる。なんでも言うこと聞く。

 わたしは平穏に暮らしたいんだ。王子様なんかと関わりたくない。普通の中学生として、普通に学校に通いたいんだ。だから


「西尾 スズさん」

「ひっ」


 代表っぽい三年生の赤ぶちメガネの先輩が半歩詰めてわたしを呼んだ。逃げ場はない。マヨの憐れむような表情が視界の端に入った。


「あなたを、歓迎します」

「…………へぇ?」


 わけがわからないのですが?


「え……と、…………え?」

 戸惑うわたしに赤ぶちの先輩は「なにも言わなくていい」といったふうに手のひらを示して軽く頷くとこう続けた。


「私たち『千さま親衛隊』は、西尾 スズさん、あなたを同志として認めます」


 ……え。えええええ。