お抹茶王子にキョーミないですっ!

 案の定というか。
 学校に着いてからが大変だった。

 まずは宇治原さん……えっと、お姉さんと区別するために『やよいちゃん』と呼ぶことにしたんだけど……。


「西尾さんっ! 茶道部は部内恋愛禁止ですよ!? それも入部早々部長をそそのかすだなんて前代未聞ですっ!」


 教室に入るなり鬼の形相でそんなことを言いながら壁際まで追い詰めてきた。

 ひ、こわいこわい、こわいよっ。


「お、おお、落ち着いて、誤解だよ、やよいちゃん……」

「なにが!」

「り、龍崎先輩から誘ってきたんだよう」


 これは親衛隊さんが証言してくれるんじゃないかな?


「はあ? 夢でも見ながら登校なさったの?」


 おお、さすがにひどくないか。


「疑うなら先輩本人に聞いてみてよ。それに恋愛とか、ぜんぜんそんなんじゃないからっ」

 ほんとうに勘弁してください。


「龍崎先輩からの申し出だなんて有り得ません! 第一、龍崎先輩には許嫁(いいなずけ)がしかとおりますから!」

「……へ」


 イ、イイナズケ……? イイ茄子漬け?

 いや、それってつまり『婚約者』ってこと?
 ええええ!?