「呼んでみて」
「え……と、せっ、千菊、先輩……?」
すると少しくすぐったそうにして「『先輩』は取れないか」と笑う。
いや、取れるわけないですよ?
「本当は『千菊くん』って呼んでほしいんだけどね。さつきさんのように」
顎に手を添えて意地悪く微笑む。
「むむ、むりですよっ、そんなの」
「どうして?」
「お、恐ろしいから……」
本気で周りが怖いから。殺されるから。
先輩は「はは」と笑って、すらりとわたしの結わえた髪と浴衣の肩を撫でた。
くすぐったいのと恥ずかしいのと恐ろしいのとで、たまらず「ひぁ」と声が出る。ううう。
「綺麗だよ。とてもよく似合ってる。誰よりも綺麗だ」
「ぶわわっ、やめっ」
やめてくれえっ!
たまらず頬を押さえると「ふふ」と美しく笑われた。
んんん、先輩、楽しみすぎですっ! こっちとの余裕の差がありすぎるっ!
「スズちゃん」
「はい……」
「お点前も。とてもよかった。一年生とは思えない、よい出来だったね」
「あ……や、へへ。ありがとうございます。先輩たちのおかげです」
くすぐったいけど先輩に褒められるのは素直に嬉しくてつい頬が緩んじゃう。
「ご褒美に……これをキミに贈るよ」
その手にあったのは、茶道で使う女性用の扇子だった。
「え……と、せっ、千菊、先輩……?」
すると少しくすぐったそうにして「『先輩』は取れないか」と笑う。
いや、取れるわけないですよ?
「本当は『千菊くん』って呼んでほしいんだけどね。さつきさんのように」
顎に手を添えて意地悪く微笑む。
「むむ、むりですよっ、そんなの」
「どうして?」
「お、恐ろしいから……」
本気で周りが怖いから。殺されるから。
先輩は「はは」と笑って、すらりとわたしの結わえた髪と浴衣の肩を撫でた。
くすぐったいのと恥ずかしいのと恐ろしいのとで、たまらず「ひぁ」と声が出る。ううう。
「綺麗だよ。とてもよく似合ってる。誰よりも綺麗だ」
「ぶわわっ、やめっ」
やめてくれえっ!
たまらず頬を押さえると「ふふ」と美しく笑われた。
んんん、先輩、楽しみすぎですっ! こっちとの余裕の差がありすぎるっ!
「スズちゃん」
「はい……」
「お点前も。とてもよかった。一年生とは思えない、よい出来だったね」
「あ……や、へへ。ありがとうございます。先輩たちのおかげです」
くすぐったいけど先輩に褒められるのは素直に嬉しくてつい頬が緩んじゃう。
「ご褒美に……これをキミに贈るよ」
その手にあったのは、茶道で使う女性用の扇子だった。
