お抹茶王子にキョーミないですっ!

「お上手でした」

 いちばんに声をかけてくれたのは、やよいちゃんだった。

「やはりさつき姉さんのご指導がよかったのですね」

 ひとり納得されてこちらは苦笑い。あはは……。


 マヨとポウちゃんはどこかな? と探していると、先にマサミ先生が現れてあやうく心臓が止まりそうになった。


「私を見かける度にビクビクなさるのはおやめになって?」

 冗談ぽく言われたものの「しゅみばせんっ!」と即行で謝った。


「よいお点前でしたよ。とても」

 ひょあ、と固まってなにも返せなかった。


「まあ、当然あなたの先輩には遠く及びませんけれど」

 目線の先にはさつき先輩の姿が。あ、当たり前ですそんなのっ!


「あなたの今後に期待します」


 そう言ってから「それと」とマサミ先生は目線を外して言葉を続ける。


「一時的な気の乱れであなたを茶道部から追い出そうとしたこと、心からお詫びします」

「えっ……」

 言葉を返せないでいるわたしに、先生は微笑んで「さ、あなたも先輩のお点前をご覧になって勉強なさい」と促した。

 もちろん「ハイっ!」と即行で返した。