お抹茶王子にキョーミないですっ!

 誤魔化すようにして菊の花の干菓子をひとつ摘みつつ「彼とはただの親族です」と言う。


「老舗和菓子店の御曹司だから。さつきさんとも充分釣り合うでしょ」

「だから彼とは!」

「ハトコ、というのは果たして親族と呼べるの? 法的には婚姻も可能なんでしょう?」


 言いながら自分もポイ、と小さな松ぼっくり型の干菓子を口に入れ、わたしにも勧めてくれた。

 前から思ってたけど龍崎先輩って結構、口がお強いですね……? だってあのさつき先輩を言い負かすんだもん。


 さつき先輩は「こんいん……」と真っ赤になって黙ってしまっていた。


「許嫁の話がなくなってやっと自由になれたんだ。さつきさんもそろそろ素直になればいい」

 ふふ、と楽しそうに笑うと「後半は僕が見るよ」とわたしにその手を差し伸べた。