お抹茶王子にキョーミないですっ!

 さつき先輩と龍崎先輩によるわたしへの『特別指導』は次の月曜日から放課後に毎日行われることとなった。


 何度も言うけど、

 なんでこんなことにぃぃいいいっ!?


「ちがいます。もっと流れるように」

「こう……ですか」
「ちがいます」

「こう……?」
「ちがいます」


 うう。こわいです、さつき先輩。


「西尾さん、上達する気はおありで?」

「もっ、もちろんですっ!」

 もう半泣きだよっ。


「はは。少し休憩しない?」

 救いの神は龍崎先輩。

 ああああ。さつき先輩と二人きりじゃなくてほんとーおうによかった。


「いきなりいろいろやり過ぎても覚え切れないよ。今日は干菓子(ひがし)があるから食べて休憩しよう?」

「そんな暇はありませんよ?」


 睨むさつき先輩を「まあまあ」といなして龍崎先輩は小箱を差し出す。


「『麗しのさつき嬢へ』とのことだから」

「な……」


 誰かからの差し入れなのかな? と様子を見ていると「さつきさんの恋人からだよ」と思いもしないことを龍崎先輩が言う。


「えっ、え!?」

 驚いてさつき先輩を見ると「おやめになって」と頬を赤くしていた。

 えええ!?