お抹茶王子にキョーミないですっ!

「今度の文化祭の全ての準備。会場設営や部員の教育係、資金集めに集客と会計。看板やチラシの制作、和菓子や生花の手配と受け取り、管理。衣装の手配、受け取り、管理。すべての裏方の仕事をひとりで担っていただきます。

当然後輩たちへの内容継承もお忘れなく。もちろんお点前の披露は千菊くん以外の部員がします。

つまり今回の文化祭、あなたには終始『裏方』として尽力してもらいます」


「ほほう」

「異論はないですね?」

「僕としてはないけどね」

「……なんですか?」

「お客様から苦情が出るのではないかと思って」

「なにに対して?」

「僕がお点前を披露しないことに対して」


 うおっ!? た、たしかにそうでしょうけど、それをご自分で言うんですね?


「それらへの対応も『裏方』であるあなたの勤めです」

 龍崎先輩は「なるほど」と答えて「いいでしょう」と頷いた。


 うーん。本当にいいのかな。だってこれが先輩の中学最後の文化祭なのに。

 本当はお点前を披露したいんじゃないのかな。それに先輩が言う通り、それを期待してる生徒も多いんじゃないのかな……?


 などと考え事をしていたら、「それと西尾さん」とさつき先輩に突然呼ばれて「ぅひゃいっ!」と飛び上がった。