お抹茶王子にキョーミないですっ!

「どの道龍崎くんたち三年生は9月で引退だから。先生としても……こんなこと言ったら悪いけど、ほっとしてる。彼らの存在はほかの部員に影響を与え過ぎるから」


「ああ、そうか」とマヨがつぶやくように言う。わたしも同じ気持ちだった。


 三年生は引退なんだ。


「宇治原 さつきさんも。彼女、龍崎くんの許嫁でしょう? 一年生の春にそれを公表して、『部内恋愛禁止』の規則を掲げ、当時30名もいた新入部員を3名にまで減らしてしまったの」

「ひ……す、すごい」

 もはや武勇伝じゃ?


「さすがに驚いて当時は私もさつきさんと話をしたのだけれど、『静かに茶道に打ち込むためです』とのことで」

 すごく様子が目に浮かぶセリフだった。


「悪気はないのよね。だけど少し厳し過ぎるところがあるから」

 マヨとともにこくこくと頷く。


「西尾さんの復帰はなるべくすぐに叶うように努めます。だから安心して」


 そう微笑む安藤先生は全然『お飾り』なんかじゃなかった。

 ちゃんと部員たちのことを見ていて、いつも心配してくれてたんだ。


 そのことに気がつくと、心がほう、と温かくなった。