すぐ横にしゃがみこんで 雨に濡れた頬に触れると 少女のように華奢な 少年の体がビクッと震える。 こんなに冷えちゃって。 雨に濡れただけが 原因じゃないよね。 「大丈夫だよ。」 いつもと変わらない口調。 特に優しいわけでもなく 特に冷たいわけでもなく。 少年の顔が 恐る恐る・・といったふうに ゆっくり上げられる。