あとに残ったのは。



水溜りの中に座り込んだまま

ピクリとも動かない少年の姿。



銀色の髪は雨に濡れて

半分以上が紫色になっている。



その周りに

さきほど買った食材が

散らばっていた。



「・・ユウミ。」



聞きなれた低音が

小さくあたしの名前を呼ぶ。



歩き出そうとしていた

あたしの腕を引く大きな手。