好きです、先輩。別れてください

桜庭さんはさ、俺と一緒にしゃべっていても、何していても、ときどき寂しそうな顔を見せるよね。


元カレ、星谷先輩のことを忘れられていないのは───まだ好きでいるのは明白で。


さっき、星谷先輩の話を出したのだってそういうことでしょ?




「駅まででいいよ。送ってくれてありがとう、猫葉くん」


「……桜庭さん」




なんで、そんな寂しそうな顔して笑うの?


わかってるよ、星谷先輩のことが好きだからだって。



でも、俺がその気持ちの先に居られたら。


俺が誰かにこんなこと思うの、随分と久しぶり。




「猫葉くん?」




いつか俺が星谷先輩のこと忘れさせるから、利用してもいいし、仕方なくでもいいからさ───




「俺と付き合って」


「……え?」




訳わかんないって顔だね。


急に告られたら誰だってそうなるよ。



でも、俺は桜庭さんが思ってくれてるような優しいやつじゃないから。



ほんとは覚えてるんだよ、球技大会の日のこと。


確かに寝ぼけてはいたかもしれないけど、それくらいじゃ忘れたりしない。


だってもし俺が覚えてるって言ったら、桜庭さんは俺のこと避けるんでしょ?