好きです、先輩。別れてください

「猫葉くん!早いね」


「俺も来たばっかだしそんな変わんないよ」




球技大会の週の土曜日。


待ち合わせ場所は、先輩との最後のデートのときに行ったショッピングモールだった。


猫葉くんの私服はダブルフードパーカー。猫葉くんファンの子が見たら泣いて喜びそう……




「どんなの買う予定なの?」


「全然決めてない。てか何あげたら喜ぶのかわかんない」


「う〜ん、プレゼントって難しいよね」




先輩と来たときのスーツ売り場とは別の階。雑貨屋さんが集まっている階へ向かう。


あのときは繋がれていた右手も、今じゃ手持ち無沙汰だ。



今は猫葉くんの妹ちゃんへのプレゼント!……気持ち切り替えないと、苦しくなる。




「妹さんの好きなものってある?」


夏弥(かや)の好きなものか……」


「名前、夏弥ちゃんっていうんだね」


「あ、それ言ってなかったか」




春弥くんと夏弥ちゃんと……冬弥くんか。


季節と"弥"を使うっていう共通点なのかな。




「夏弥の好きなものは……ひまわり、かな」


「ひまわりか〜。かわいい雑貨があるといいんだけどな……」




名前に夏が入っているし、ひまわりが好きっていうのはすごく似合ってる。


ひまわりって夏!って感じがするもんね。