好きです、先輩。別れてください

「昨日のドラマ見た?」


「あ〜、見たよ。星谷先輩が出てるやつでしょ?」


「そうそう!」




先輩がいま出ているドラマは日常ミステリーもの。


小説が原作で、先輩は主人公の友人で巻き込まれ体質の役。




「かっこよかったよね〜。楓茉くんの優しげな雰囲気と巻き込まれて困ってるときの表情が重なってて───」


「はいはい、ストップ。このまましゃべってたらSHR始まるよ。席戻らないと」


「むぅ、わかったよ〜」




渋々自分の席に戻ってスクバからペンケースを取り出した。


スクバでチャリっと揺れたのは先輩にもらったキーホルダー。



出張ロケのお土産だよ、と言ってくれた菜の花とイニシャルのキーホルダーは、もらった日から私の宝物。




「───らば、桜庭!」


「っ、はい!?」


「教師の話を聞かずに何、にやにやしてるんだ?」




じとっとこっちを睨んでいるのは、担任様だぁ……。




「……先生っていい声だなぁと思ってました?」


「そうかそうか。疑問系な上に沈黙があったよな?──放課後の資料整理、日直に任せようと思ってたんだが桜庭に任せるよ」


「えぇ、そんなぁ」


「あと、お前もだ。猫葉(ねこば)!」




私の不満の声をガン無視しないで先生……。