好きです、先輩。別れてください

「お礼の内容、考えたんだけど」




猫葉くんにそう言われたのは、これでもう3回目の一緒の帰り道。


その言葉で、もうすぐ駅だなぁ、とぼんやり考えていた私の意識は呼び戻される。




「なんでも言って!私にできる限りは叶えるから!」


「……なんでもなんて、そう簡単に男に言わない方がいいよ」


「え?」


「なんでもない」




なんでもなんて、そんなに言わないよ。猫葉くんを信用してるからこそ言ってるの。


私は猫葉くんのこと、もう友だちだと思ってるからね。




「まぁでも、なんでもいいんだよね」


「う、うん。……私にできる範囲なら」


「じゃあ、買い物付き合ってよ」


「へ?」




買い物?


予想外すぎて、間抜けな返事しちゃったよ私。


でも、猫葉くんにふざけてる感じは皆無。




「妹の誕生日が2週間後くらいなんだよ。プレゼント考えるの手伝ってほしい」


「あ、そういうことか」




確か小学5年生の妹がいるって言ってたよね。


高校生2年生のお兄ちゃんはそれで悩んでるんだ〜




「へ〜、ふ〜ん」


「……なに」


「別に〜」




女の子向けの雑貨屋さんで真剣に悩んでる猫葉くんを想像してにやにやしてました、なんて何があっても言えない。


だって、すでに言わなきゃよかった的な顔をしてるんだから猫葉くんは。




「優しいお兄ちゃんだね、猫葉くんは!」


「……もうそれでいいよ」




諦めたような猫葉くんと上機嫌の私は対象的だけど、先輩と別れてから久しぶりに、私は心から晴れやかな気分だった。