好きです、先輩。別れてください

「優勝は───3年4組〜!」


「わぁ!」




球技大会は、例年通り3年生の優勝で幕を閉じた。



でも、クラス委員の仕事は終わらない。


大変なのはこのあとの片付け作業なんだから。




「さくらばさ───」


「仁那〜!」




ふいっ、と聞こえてないふりをする。


たぶん、昼のことを猫葉くんは覚えていない。


だからきっと、私の態度は猫葉くんにとって相当不自然なものだ。




「絆菜ってこのあと片付けあるよね?」


「うん、ごめんね。一緒に帰れなくて」


「いいよいいよ、希兎でも呼べばいいし」


「確かに!放課後デート楽しんで〜」




仁那に手を振って、私に割り振られた得点板の片付けに向かう。


男子は大きいボードを片付け、女子は得点カードを片付ける。



昼間のことを思い出したくなくて、夢中になってカードを整理する。



だから私は気づかない。


男子が紐を解いたボードがこっちに向かって倒れようとしていることに。




「桜庭さん!」


「え?」




鋭い声に少し遅れて、ゴンっと鈍い音、暗くなる視界。


でも、暗くなったのは意識が飛んだからじゃない。