──
─────
────────
文化祭の日の屋上。
好きと伝えた私に、楓茉先輩は本当に嬉しそうに笑ってこう言った。
「よかったっ……」
「わっ、先輩!?」
私の肩にとんっと先輩の頭が乗る。重さはほとんどかけないのが先輩らしい。
先輩が安心したように吐く息が首元にあたって少しくすぐったい。
「好きだよ、絆菜。…やっと俺のとこに戻ってきてくれた」
「先輩……」
「今度こそ絶対に離したりしない」
ぎゅっーと強く、私を抱きしめる先輩。その背中に、私も腕をまわす。
もう、離れないように。
「"負担になる"なんて言わないでよ?俺ははんちゃんがいないほうが辛いんだから」
「それは……すみませんでした」
「あいつと歩いてるの見たときなんか気が狂いそうだったし」
「あいつ……猫葉くんのことですか?」
「そうだよ」
せ、先輩……?今、声に一瞬だけ棘がなかった?
気が狂うって流石に大袈裟じゃ……
「ほんとよかった。あいつにはんちゃんをとられなくて」
「私は一途なんですよ!」
「なら、もう"別れて"なんて言わないでね」
「はい……」
口調は朗らか、なんだけど。なんだけどさ!なんかちょっと怒ってないこれ!?
顔が見えないからわかんないけど、怒ってるなら謝らないと。


