好きです、先輩。別れてください


「に、2年2組で和風レトロな執事・メイド喫茶やってま〜す」




なんでこうなった??


2年2組 和風レトロな執事・メイド喫茶♡とポップな文字で書かれた、人の目を引くプラカード。


それを持って校内を歩き回るのは、正直けっこう恥ずかしい。声出して宣伝しないとだし!



しかも───




「なぁ、あそこの2人顔面偏差値高いぞ」


「ガチじゃん!あれ模擬店の衣装だろ?メイドかわいー」 




メイド服のまま歩き回らないといけないの!宣伝なんだからそれはそうなんだけどさ。


悲劇(?)はこれだけじゃない。




「あっ。猫葉くんが執事だ!」


「嘘、かっこよすぎなんですけど!あの子、模擬店の宣伝でも一緒に歩けるの羨まし〜」


「ほんとそう!変わってほしい〜」




きゃははっと笑って通り過ぎていった女の子2人組はこの学校の生徒。


だって制服だし、猫葉くんのこと知ってるし。


注目されるのは宣伝係として、とても喜ばしいことではあるんだけど……


ここまで注目されると流石にいたたまれない!




「猫葉くん……別行動しない?」


「…なんで?」


「えっと、二手に別れたほうがいろんなところを回れるし、いいかなーって思って」




ちょっと申し訳なくなって、饒舌になってる私の心の中を見透かすように、じっとこっちを見つめてくるから、すいっと目を逸らした。


だって、全部バレてるみたいな気持ちになるんだもん!