好きです、先輩。別れてください

散らばったプリントの上で倒れ込む私と猫葉くん。


学年で1、2を争うモテモテくんと彼氏持ちの私は今、まさかのゼロ距離。


中性的でどこかやる気のなさそうな顔に見惚れて───いやいやびっくりしただけで……




「いつまでフリーズしてる気?」


「……っ!あ、あのっ。ほんとごめん……」




我に返って急いで猫葉くんの上から退こうとして立ち上がる、と───




「うわっ!」




今度こそ床とこんにちはしかけた私を受け止めたのはやっぱり猫葉くん。




「……それわざとやってんの?」




じとっとした目でこっちを見てくる猫葉くんの腕の中。


猫葉くんが少し首を傾げて、長めの前髪がさらっと揺れる。


さっきよりもさらに距離は近くなって流石に彼氏がいるけど男慣れしてない私はドキドキしないのは無理!


今度は転ばすに猫葉くんの上から脱出。




「ちがっ、……ごめんね」


「無自覚天然って演技なの?」


「え?」




流石に3回目は転ばずにプリントの移動に成功した私に、背後から問いかける声。


演技って……どういうこと?


きょとんとしている私を見て、猫葉くんはため息ひとつ。




「これで演技なわけないか。ドジそうだし」


「……なっ!ひどいよ、それは」


「じゃなきゃ2回も転ばない」


「うぅ」




けっこう失礼なことを言われたけど、転んだのは事実だし否定できない……。



でも、猫葉くんって意外と話す人なんだな。いつも寝てばっかりだから人と話したくない人なのかと思ってた。




「さっさと終わらせよ」


「はい……」