好きです、先輩。別れてください

だから痩せた今年こそは、ビキニが着れるかも。仁那にしか見られないし!


クローゼットの夏コーナーをごそごそ。


先に出てきたのはワンピースのほう。そのあとにビキニさんこんにちは。




「いけるかな……」




一回試着してみて、サイズぴったり。しかも太ってみえない。


今までの努力の賜物だ!




「絆菜〜、あっ!それ着たの?」


「…お母さん」




ガチャっと開いた扉の向こう、お母さんが顔を出してる。


ノックくらいはしてほしいんだけど……。




「なになになに〜?張り切っちゃって、彼氏でもできた?」


「そんなんじゃないよ!仁那と海行くの!」


「あ〜、仁那ちゃんか。彼氏じゃなくて残念だけど、楽しんできなさいよ」


「はいはい」




そこまで言って出ていこうとするお母さん。なんで私の部屋まで来たんだろ。


着替え見られるのは若干気まずいから全然いいけど。




「あっ、用事忘れてたわ。あんたに手紙がきてたのよ。今どき珍しいわね、スマホがあるのに」


「手紙……?」




はい、と手渡された手紙は手触りのいい白い封筒が赤い印で止められている。


それだけ渡してお母さんは部屋から出て行った。



宛先は書いていない。差し出し人の部分は
─── 𝓕. 𝓗.




「楓茉、星谷……?」