好きです、先輩。別れてください


焼きそばか〜。お祭りといえば感はあるよね。


私はあんまり食べないけど。




「私はたこ焼き食べようかな。りんごあめはとっとく」


「いいね。はい、これ」


「ありがとう」




渡されたパックはあったかくて、ソースの香りがふわっと香った。


爪楊枝でひとつ取って、小さく口にする。


熱々のたこ焼きが口の中で転がって、はふはふと冷ます。




「おいしそうに食べるな」


「そうかな、ひとつ食べる?」


「いいの?もらうけど」


「うん。買ってきてくれたの猫葉くんたちだし」


「そう。じゃあ遠慮なく」





言ってから、爪楊枝がひとつしかないことに気づいたけど、猫葉くん割り箸持ってるか。よかった〜。


なんて、安心したのも束の間。




「食べさせてよ」


「えっ!?」




まさかのお願いに私はもちろん固まって顔を赤くしていると思う。


食べさせる!?私があ〜んってするってこと!?




「無理無理無理!絶対に無理!自分で食べなよ」


「なんで?いいでしょ?今なら先輩もいないし」


「そういうことじゃないよ……」




楽しんでる。絶対に私を困らせて楽しんでる顔だ!


それに楓茉先輩が見ていないとして、私たちはもう別れてるから見られても問題ないよ……。


だって、もう楓茉先輩は私のこと好きじゃないでしょ?


あんなに一方的に別れを告げた私だもん。