「ね、猫葉くん」
授業が終わって昼休み。
仁那にはひとこと告げて、屋上に行ったという猫葉くんを追いかけてきた。
でも、壁に寄りかかって目をつぶってるから、日向ぼっこしてるのかな?
休憩中声をかけるのは迷惑かな、と悩んだけどお礼は言いたいし。
なのに反応がない。
「猫葉くん!」
こんなに声をかけてて無反応なんてことある?
寝てる?この夏の日差しの下で?
あとでもう一回出直すか、ゆすってでも起こすか……。
そもそもこの状況があのとき───球技大会のときと被ってみえる。
うん、あとで仁那と一緒に出直そう、それがいい絶対。
さぁっと風が吹いて、猫葉くんの髪が揺れる。
隙間から、ワイヤレスイヤホンをつけているのが見えた。
歌を聴いててそのまま寝ちゃったって感じかな?
「それじゃあ気づかないわけだ……」
「何に?」
「えっ!?」
ぱちっと目を開けた猫葉くん。瞳はもちろん私に向いてる。
寝てたんじゃなかったの!?さっきは声かけても反応しなかったじゃんか!
───じゃなくて!言いたいのはそれじゃない。
「えっと……、お昼寝中ごめんね?理科のときのお礼言いたくて」
「お礼?…あぁ、別にいいよ。俺のこと考えてたんでしょ?」
「…っ!?」


