「──な!絆菜!」
「仁那?どうしたの……」
「どうしたのじゃない!最近変だよ、絆菜。ぼっーとしてるし忘れ物するし」
移動教室中の今。
仁那は私に話しかけていたみたいで、返事をしない私に痺れを切らしたらしい。
最近の私は、確かに変だと思う。
しょうがないでしょ?あんなこと───告白、されたんだから。
「無理に聞こうとはしないけどさ、限界くる前に頼ってよ?」
「……うん」
「……ほら、夏休みに遊びに行く予定たてよ〜!」
テンション上げてくれてるよね、仁那。
私のためを思ってやってくれてるのがよくわかるから、私もそれに合わせるね。
「海に花火大会は絶対だよね。観たい映画もあるし」
「花火大会は浴衣で行こっか」
「いいけど……希兎くんはいいの?」
そこで少し動きを止めた仁那。
目を私から逸らしたような───?
「大丈夫、大丈夫!楽しみにしといてよ!」
「う、うん?」
にやにやしてるけど、どうしたの?
何か私に秘密にしてることでもあるのかなぁ?
まあ、今の私にそんなことを考えている余裕は、ない。
だって、猫葉くんはいたっていつも通りなのに私だけ挙動不審だ。


