イケメン刑事(デカ)は ちょい悪美女を囲い込む

圭介が話を続けようとしたのを遮ったのは松尾のお爺さんだった

「圭介さんそれは、儂から話させてもらえないか」

「はい、わかりました。お願いします」

お爺さんは居住まいを正すと圭介の祖父母に向けて静かに、しっかりと二人の目をみて話し出した。

「荻原さん。結花ちゃんは何もしていないんだ。中高時代は家庭環境の所為で不良だったことは認めるが、少年院送りになった事件については仲間の罪を一人で被ったんだ。仲間5人である工場に侵入したんだ。そこで金庫からお金を盗もうとしたんだが、その工場はそのグループの主犯の子の親の会社だったんだけど…その時の守衛が儂だったんですよ。一人の坊主に蹴られて倒れた時に頭を机の角で打って、大けがをしてしまったんです。他の子は皆さっさと逃げて行ってしまったんですが、結花ちゃんは一人残って救急車を呼んでくれて自分のTシャツを脱いで儂の頭をずっと抑えてくれてたんです。“お爺さんもうすぐ救急車が来るから大丈夫よ。しっかりして死なないで”ってずっとそう言って儂の側で手を真っ赤に染めて頭を押さえながら付いていてくれたんだ。そして警察に捕まった。もし結花ちゃんがあの時あそこに残って救急車を呼んでくれなかったら、出血多量で死んでいたと後で医者に言われました」

そこまで言うとお爺さんは水を一杯飲んで一息ついた。

皆一言も話せず誰も食事に手を付けずに黙って聞いていた。

「その後取り調べもきつかったようです。だから結花ちゃんは警察官が大嫌いなんですよ。でも、仲間の名前は頑として言わなかった。自分が一人でやっと言い張った。儂は結花ちゃんにきちんと仲間の事も怪我をさせたのもお金を取ったのも自分じゃないと言いなさいと言ったんだが、仲間と縁が切りたいからこれでいいんだと言ったんですよ。そして少年院でも刑務所でも入って出てきたら人生もう一度やり直すんだって仲間とは二度と会わないって決心していたから、儂もそれ以上言えなかった。その間結花ちゃんの親は一度も面会にも来なかったんですよ。弁護士を代理人にして酷い親だと思いました。少年院に居る時に弁護士を通じて相続放棄と実家にも親の前にも顔を見せないという念書にサインしろと言ったんですよ。こんなに真直ぐで優しい子供を見捨てるなんて親じゃない。鬼だ。少年院を出て18歳になると結花ちゃんはそれにサインして籍も自分から言って抜いたんです。そしてそれからは儂とはラインをして色々日々の事を連絡してくれるようになって、月に1~2度は訪ねて来てくれて料理をしてくれるようになったんですよ。今では本当の孫のように思っています。可愛い子なんです。まっすぐで優しくて…しっかりと地に足をつけて生きています。たった一人でだれにも頼らずに…儂はただ心配してやることしかできないんですがね。今では反対に心配してもらってますがね」

そう言って優しく笑った。

「おじいちゃん、有難う。大好きだよ」

そう言うと結花はお爺さんに抱き着いて泣きじゃくった。

お爺さんは結花の背中をトントンとしてくれて、圭介はお結花の頭を愛おしそうに撫でてくれた。