イケメン刑事(デカ)は ちょい悪美女を囲い込む

何がちょうどいいかはよくわからないが、家族の皆さんに結婚を認めてもらえないと思うのに相変わらずノー天気な圭介だ。

「それにさ、両親も弟も結花に一度会ってるし」

「ええっ、カフェに来ていただいたって事?」

「違うよ。ほら前にフレンチレストラン行っただろ?結花がワイン飲みすぎて酔っぱらった所」

「ああ、二組しかお客様がいなかったレストランね。美味しかったのに不思議だったよね」

「実はもう一組の3人連れ覚えてる?」

「う~ん、確か中年のご夫婦に息子さんかしら若い男性が一人の3人組だったと思うけど」

「そうそう、それが俺の両親と弟だよ。弟に彼女を連れて行くのにいいレストラン教えてって言ったら、予約までしてくれてありがたいと思って行ったら、レストラン貸し切りにしやがって俺たちの見物に3人で来たんだよ」

「ええ~っ、もう私撃沈だよね、あんなに酔っぱらって何も覚えてないんだよ。ひどい何で言ってくれないのよ」

「ごめんごめん、でもみんな結花の事気に入ってたよ。可愛い可愛いって言っていつ結婚するのかとかいつ実家に連れてくるのかとかうるさいくらいなんだよ。とくに母親がさ」

結花はもう穴があったら入りたい心境になってしまった。絶対顔を合わせられない。そう言うと

「33にもなって26歳の若い可愛い女の子と結婚できるなんてありがたいと思えって弟にも言われてる。弟は俺が結婚してからでないと結婚しないって言ってるから両親も煩いんだよ。だから全然心配いらない」

とにかく圭介は馬鹿がつく位前向きのポジテイブ野郎だ。

結花の出自や少年院の事も知ったら絶対OKするわけがない。結花は大きなため息をついて反対を押し切っての形になるのだろうなあとかなり落ちた。

「あっ、それと結花の事は全部話してあるからな。だから心配いらないぞ。あとさ家族の食事会にお爺さんにも来てもらおうな。いつも結花がお爺さんとしか言わないから名前忘れちゃったよ。なんだっけ?」

「言ってあるってそれでも会って下さるの」

「もちろんだよ。弟も両親もそんなこと気にしないよ」

「そうなんだ。あっお爺さんは松尾雄二っていうの」

結花は唖然としてしまった。結花の過去を知っていても許してくれて会って下さるなんて思ってもいなかった。

それからその2日後には圭介が実家に連れて行くと言って結花を慌てさせた、服もそれなりのものを着ていきたいのにと焦る結花は次の日カフェが休みだったのでほっとして服を買いに行った。

圭介も付き合うと言って午後から合流して、デパートに連れていかれた。

デパートでは外商というのか、個室に通されて初めて親に挨拶に行く服という課題を告げてあったようでそれなりのオーソドックスなおしゃれな服を取り揃えてくれていた。

そこで何着も試着させられて結局、係の人が一番お勧めしてくれた黒の半袖のミモレ丈のワンピースとジャケットのセットに決めた。ジャケットのえり回りや袖周りにも白いレースがあしらわれていてシックだけど若々しくて可愛い。

ワンピースはウエストで切り替えてスカートの部分は細いプリーツになっている。その切り替えがさりげなくてお洒落だった。半袖なので夏にはワンピースだけでも着られる優れもの。

靴もバックも選んでもらって大人しく買ってもらった。

“これに真珠のネックレスを合わせると完璧ですね“と係の人が余計な事を宣わってくれたので、圭介は真珠のネックレスまで買おうとした。

結花は圭介に“背伸びする必要はないししたくない。こんな服まで買ってもらってそれで十分よ。

ありのままの私を見て貰わなくっちゃね”と可愛く小首をかしげて言うと圭介は顔を真っ赤にして、今夜覚えとけよと私の耳元で囁いた。げっ、まずい。

その後これから寒くなるからと言ってオフホワイトのカシミヤのコートと食事会に来ていく用にもう少し華やかなサーモンピンクのニットのセットアップも買ってくれた。

お金は半分出すと言ったが、男のロマンだ。好きな女に自分で選んだ服を着せるのが夢だったんだからと言われて、すごすごと引き下がった。

このサーモンピンクの服に似合う靴がないのでそれはまだ先の事だから自分で買うと決めた。

圭介は結花が二つ仕事を掛け持ちしているので、収入が足りないのだと思っているかもしれないとその時気が付いた。

カフェは楽しみでやっているのだが、そう思っていない可能性がある。

なんでも自分で決めて突っ走る圭介だが、とても優しいし結花の事をいつも一番に考えてくれる。

IT企業からの仕事の依頼だけで充分の収入があるのだけれど、これでも一応個人事業主なので…きっと圭介はそう思っていない。

だから急いで引っ越してきたのかもしれない。

気を遣わせたなあと申し訳なく思う結花だった。