イケメン刑事(デカ)は ちょい悪美女を囲い込む

圭介はさすがに疲れて足を引きずるようにして自宅に帰ってきた。

ここずっとコンビニ弁当でいい加減飽きてきた。でも、今からご飯を炊いて自炊するのも空しい。

結局コンビニで買ってきたおにぎりと、冷蔵庫にあった冷凍の総菜をレンチンして食べた。

圭介の実家は大きなデベロッパーで名も知られた企業である。その創業家の本家筋の長男なのだが、家を継ぐ気はさらさらないと言うより自分は家を継ぐべきではないと思っている。

大学を出て日本一厳しいと言われる兵庫県の警察学校に入った時には親に激怒されたが、幸い弟が優秀で後継ぎになるので、兄さんには好きな事をやらせてやって欲しいと言ってくれたのだ。

本当にできた弟で助かった。だから、圭介は刑事になって家の助けには何もならない出来損ないの長男なのに、親も弟も圭介が結婚しないのを心配してくれるのだ。

実は圭介は両親の実の子供ではない。

父親の妹の子供で母親が病院で圭介を産んだ1週間後の退院の時に親子3人が乗った車に逆走してきたトラックが衝突してきて、両親はなくなったらしい。

幸い圭介は母親が必至で守ったようでかすり傷一つなく助かった。

そして今の両親が圭介を引き取ったのだ。まだ名前の届け出も済んでいなくて父親が”圭介“と名付けた。

そして、結婚して1年余りだった夫婦の長男として自分たちの戸籍に入れた。

荻原の権力を使って出生届の両親の所も父親俊介、母親恵子となっている。戸籍を見ても誰もわからないはずだ。

でも親戚には恐れを知らない愚か者もいるのだ。圭介が中学に上がった時に態々圭介の下校を待ち伏せして、事の次第を圭介にぶちまけたのだ。お前は本来荻原を継ぐ資格などないと言った。

その日家に帰った圭介は父親に聞いてみたのだ。“親戚の叔父さんが僕はお父さんとお母さんの本当の子供じゃないと言っていたけど本当?”と…”

その時の父親の顔を見て、圭介は真実を悟ったのだが、父親は戸籍謄本を取り寄せ出生届も見せて、圭介は間違いなく俺たちの子供だと、滾々と言い聞かせた。

そしてその愚かな親戚の叔父さんはその後、職を無くし財産もなくして荻原一族から放逐された。

父親は親戚一同末端のものまで荻原と血のつながる者をすべてを集めて、圭介に嘘を吹き込んだその叔父さんの末路を話して聞かせたのだ。

本家筋に逆らうとどうなるか集まった親戚一同は恐怖に縮みあがった。そして圭介は本家の長男なのだから敬意をもって使えろとも言ったらしい。

でも圭介は荻原グループを引き継ぐのは自分であってはならないと思うようになった。

だから、自分はもっと自由に行きたいのだと言って警察官になる為に、大学を卒業すると兵庫県に引越した。

実際の所警察官でも何でもよかったのだが、東京を逃げ出したかっただけだ。