あの時――――
私が高校2年生の時だ。
この時のクラスには眼鏡をしていて前髪で顔が見えない謎の男子がいた。
名前は幽月れい。
みんなは一軍リーダーの沙理奈を中心に彼をいじめていた。
彼は誰にも抵抗しなかった。
ただ、そこに立っているだけだった。
彼の席は最初からなかった。
だから立っていることしかできなかったのだろう。
ある日転校生が来た。
全く違う場所から来た人だ。
その人はみんなに言った。
「みんな何してるの?そこ、壁だよ…。」
みんなは何を言っているのか理解できなかった。
目の前にはいつもいじめている男子がいるからだ。
だから無視した。
そしていつものように男子をいじめた。
その日も、その次の日も。
彼は反抗することなくずっとそこにいる。
―――ずっと教室にいるんだ。



