入れ替わり先のブルー      ―パラドックス―



あたしが今いるのは– –シャワー室。

床にタオルを敷いて座っている。

実はあたし– –ボロアパートに住んでいるんだよね。

母子家庭で、普通に生活するのでさえホントにギリギリな状態。


なんであたしの家はこんなボロアパートなのに、他の子はキレイな一軒家にぬくぬく住んでいるの?

自分の部屋さえいないからあたしは、この狭いシャワー室を部屋代わりに使っている。

でも他の子は、ちゃんと自分の部屋があって羨ましい。

薄くて小汚い布団じゃなくて、ふかふかの清潔なベッドで眠りたい。


でもそんなの到底、ムリな話だ。

だからあたしは、せめて学校ではみじめに生活しないように、明るくて人気者、を演じてる。
表面上の自分だけど、みんなと過ごすのはものすごく楽しい。

学校生活が安定してくると、なんだか欲が出てきて。

お金さえたくさん手に入れば、家庭もみじめじゃなくなるのに。


そう思っていた矢先に、ウソコクするだけで一億をくれる救世主の登場。


やるしか、ない。

海とは男子の中で一番関わる機会は多かったけど、家のことにいっぱいいっぱいで恋愛なんてしている場合じゃなかった。

だから海は、仲のいい男友達止まり。

でもユアがあたしを海にウソコクさせるってことは、海はあたしに気があるってことだ。

海を犠牲にするのは申しわけないけど、なにごとにも犠牲は必要。