入れ替わり先のブルー      ―パラドックス―

「ユアが本を読んでるなんて、めずらしいね」

翌日。

席で、図書室で借りた例の本とにらめっこしている私に、篠崎このみが話しかけてきた。

このみとは幼なじみで親友。

長いつきあいだから、私が本が苦手なことを知っている彼女にしてみれば、この光景は異様だろう。

私は本から目を離し、「ま、まぁ、たまには読みたいなって思って」と自分でも見苦しいいいわけをした。

空ちゃんとはラインを交換したのだが、今日の朝、『ごめんなさい、言い忘れていたことがあります!〇〇は明日友だちに渡す約束をしていたので、明日の朝、私の教室…1年1組に来てくれませんか?あと、感想教えてください!』と言われ、読んだフリをして借りた本は返すつもりだった私は、そうするわけにはいかなくなってしまったのだ。

にしても、そんな約束を忘れてたなんて……。

そう思いながら再び本に目を戻した私は、このみが顔を歪めてうつむいたことには気づかなかった。