「ただいまー!」
リビングに元気よく足をふみ入れた空ちゃんを出迎えたのは、ソファでコーヒーを飲んでテレビを鑑賞していた彼女の両親。
…と、一人だけスマホをいじっている海。
空ちゃんの声に顔をあげた海は、私の姿を見るなり、文字どおり目玉が飛び出そうなほどギョッとした顔になった。
思わず手から離して床に落下しそうになったスマホを、ギリギリで掴んでいる姿がものすごく滑稽。
なんとか笑いをこらえて、私は海と空ちゃんの両親を見た。
「はじめまして、寄居ユアといいます」
ペコっと頭を下げると、空ちゃんが「ユア先輩はお兄ちゃんと同じクラスなの!」とつけ足した。
「あら、そうなの!」
「海と仲良くしてくれているのかい? どうもありがとう」



