恋エネルギーは保存する!?教えて!リケ女の詩織ちゃん

わたし――北川愛美(まなみ)は西森中学校に通う、3年生。この4月から、ついに受験生になってしまった。

……そして、恋をしている。

ちなみに勉強の方は、そんなに得意じゃない。数学や理科は、大のニガテだ。

本当はもっと真剣に勉強した方が良いに決まっているけど、わたしの心はそれどころではない。

(いや、カッコ良いな……)

休み時間。わたしは机に突っ伏して寝る。

睡眠時間は、毎日8時間。夜の11時にはちゃんと布団に入ってるから、十分足りてる。

そう。わたしが寝ている理由は「眠いから」じゃない。

(はあ。……もっと話、したいなあ)

腕の中で首を横に傾ける。視線の先に……わたしの大好きな人がいる。

大原龍太郎くん。

「そう? そんなカッコ良いかな」

仲の良い友達は、みんなわたしに言う。

「カッコ良いってば! 龍太郎くんの魅力が分からないなんて……どうかしてるよ!」

身振り手振りを交えて、いったい何度説明したか分からない。龍太郎くんの魅力を。

「カッコ良いし、優しそうだしさ……。めっちゃタイプだなあ……」

放課後は、窓の外に目をやってぼんやりと龍太郎くんへの想いを呟く。

そして、みんな呆れ果てる。

そう、それで良い。

わたしが龍太郎くんのことを大好きであることを、みんなにアピールしておく必要がある。

正直、今は全然距離が縮まってない。中3になって、初めて同じクラスになったから。

(あぁ……どうやって話をしようかなあ)

毎回わたしは、机で寝たフリをしながら、うっすら目を開けて龍太郎くんを見つめているのだ。