ランタンライトヒーローズ

この春から中学3年になる俺は
その日
春休みを有意義に、
つまりはとことん謳歌すべく
悪友(クラスメイト)たちと、
パシフィコ横浜で行われた音楽イベントに
来ていた

春の日差しを通り越して、初夏の陽気
ここ数年、春と秋はほとんどなくて
ある日、突然夏が来る
異常気象と言うよりは、もはやそれが当たり前に
なりつつあって

そんな陽気に誘われ
俺らはさんざ騒ぎまくったそのノリと勢いで
横浜赤レンガ倉庫まで歩くと
適当なキッチンカーの店を見つけ
3段重ねのハンバーガーを買う
それをがっつりと空腹の胃に詰め込むと
更にドリンクで流し込み

「夕飯が食べられなくなるわよ」

いつもならママ…

いや、母さんにブツブツ言われるが
今日はみんなと夕飯を食べてくる
と宣言しているので安心だ

もっとも、今日、母さんは父さん…
いや
オヤジと2人して知人が出演する舞台を見に
出かけているので、
なんの気兼ねもない

まだまだ絶賛、中ニ病を引きずっており
多少親への反抗心はあるものの
父兄参観で訪れた両親を見て
周りがザワつくほどの美形カップルの間に生まれ
イケメン遺伝子を受け継いだ俺

成績、ほどほどに優秀、
趣味、プログラミング、ゲーム
スポーツ、万能

男女ともに、時に親密、時に気軽な
そういう付き合いが出来る友達のいる自分が
好きであり、
特定の彼女こそいないが
エスカレーター式の学校で、
受験のための勉強には縁がなく、
毎日、のほほん、と
もとい、
充実した楽しい学園生活を送っていた

そう
あの、夏休みの出来事が起こるまでは


◇◇◇◇