イケメン兄弟はわたしに夢中!?〜幼なじみが家族になった〜

「というわけで、お兄ちゃん、頑張ってね? ぼくに愛理ちゃんを取られないように」
 わたしが驚いて固まっている間に、優夜くんは千聖くんを見た。
 どこか、悪戯っぽい、小悪魔みたいな顔で。
「と、取られるって――上等だ! 実の弟だろうと、愛理は渡さないからな!!」
 危機感を覚えたらしく、千聖くんはわたしを抱きしめた。
 予想外の行動に心拍数が跳ね上がり、顔の温度が急上昇していく。
「その意気その意気。隙を見せたり、愛理ちゃんを泣かせたりしたらダメだよ? 本当にぼくが取っちゃうから」
 優夜くんは笑っている。
 どこまで本気かわからない笑顔だった。
「そうそう、一応言っとくけど。いくら両想いだからって、家でいちゃつくのは止めてね。せっかくお母さんたちが仲良く暮らしてるのに、お兄ちゃんたちのせいで二人が気まずくなって別れた、なんてことになったら恨むよ?」
「わかってるよ! それくらいわきまえてる!」
「どうかなあ? 白昼堂々、こんな人通りの多い通学路で愛理ちゃんを抱きしめてるようじゃ、言葉に説得力がないよ」
 優夜くんに諭されて、千聖くんはわたしから手を離した。
 解放されたものの、わたしの心臓はまだ大騒ぎしている。
「じゃあ行こうか、愛理ちゃん。遅刻しちゃうし」
 優夜くんは指で眼鏡を押し上げて笑い、まるでエスコートするようにわたしの左手を掴んで歩き出した。
「おい! なんで手を繋ぐんだよ!?」
「いいじゃない、甘えても。年下の特権だよ。ねえ愛理ちゃん、嫌じゃないよね? これまで何回もぼくの頭を撫でてくれたし、抱きしめてくれたことだってあるもんねー」
 優夜くんはわたしの腕にぴったりと寄り添い、頭をくっつけた。
 そして、千聖くんを見てふふんと笑う。得意げに、勝ち誇るかのように。