イケメン兄弟はわたしに夢中!?〜幼なじみが家族になった〜

『千聖くんを起こす』という予想外のイベントが起きてから、三十分ほど後。
 わたしは千聖くんと優夜くんと一緒に蒸し暑い朝の通学路を歩いていた。
「くれぐれも気を付けてね? 怪我をした千聖くんなんて見たくないからね?」
 今朝、わたしが見た夢は『バスケの試合中にクラスの男子、坂本くんが怪我をする夢』だ。
 今日、六年二組のクラスは五時間目に体育の授業がある。
 そして、明日と明後日の時間割に体育はない。
 だから、今日見た夢が予知夢なら、今日の五時間目に悲劇が起きる。
 バスケの試合中、コートの外に座っていた坂本くんはボールが顔に当たって気絶する。
 衝撃のせいで唇を切ったらしく、坂本くんの口からは血が出ていた。
 あの分だと頬の腫れは数日続くと思う。
 命に別状はないし、絶対に見過ごせないってレベルの怪我じゃない。
 日常の不幸な事故として片付けても良いとは思う。
 でも、やっぱり防げるなら防ぎたい。
 だから、わたしは千聖くんに頼ることにした。
 運動音痴のわたしが無理に頑張るよりも、運動神経抜群の千聖くんに任せたほうが良いに決まっているから。
「大げさだなあ。ただボールを止めればいいだけだろ? 余裕だって。任せとけ」
 千聖くんはぽんぽん、とわたしの肩を叩いた。
「愛理は何もするなよ。突き指とかしそうだし」
「う……」
 しないもん、と言えないのが悲しい。
 わたし、クラスの友達とバレーの練習してて突き指したことあるもんな。