Chocolate Season

「食べてみなよ。──あ〜んして?」


「っ、え!?」




ぜんっぜん優しくない、いつもの悪魔バージョンの伊織に大変身。


明らかに私の反応を見て楽しんでる。




「いや、今あんまりお腹空いてないかな〜っていうか」


「チョコ一個くらいどうってことないでしょ」


「うぅ、」




ジリジリと近づいてくる伊織と同時に私は後ろに下がる。


トンっと背中がぶつかった先はちょうど行き止まり。




「もう後ろ下がれないよ?」




背後は行き止まり、前は伊織。逃げるのは不可能な状況。



ニヤって笑う伊織を前に、ほんとはもう諦めてるよ。


───好きな人にこんなことされて、嫌なわけ、ないし。