Chocolate Season

「うそうそ。食べてい?」


「えっ、今?」


「うん。だめ?」


「……どうぞ」




だめ?ってそんなの、ずるいよ。


断れるはずないじゃん。



伊織は紙袋から箱を取り出して、箱にかかっていたリボンを解く。


パカって開いた蓋の向こうから生チョコさんこんにちは。




「──おいしそう!いただきま〜す」




チョコを見た伊織の目がキラキラ輝いているように見えて、心臓がドキっと跳ねた。




「ど、う……?」




チョコをもぐもぐしてるのかわいい、なんて思いながら自信ないけど聞いてみる。




「めっちゃうまい!」




パァって満面の笑みを浮かべる伊織。心拍数は止まるところを知らなくて、もはや心配になるくらい。




「よかったぁ」


「食べてないの?」


「ちょっとだけ食べたけど自信なくて」




ふ〜ん、と自分で聞いたくせに対して興味もなさそうな反応だな、なんて考えた直後。




「じゃあ、食べる?」


「えっ、いやいいよ。私があげたんだし」




まさかの優しいバージョンの伊織?なんて平和に考えていた私はばかだったな〜、と。