会えないままな軍神夫からの殺人的な溺愛

「……奥様ではないですか!!」

 私はここまで数え切れないほどの扉を叩き、それを無視されていた。

 だから、その扉から彼が顔を出した時に、願っていたにも関わらずに信じられなかった。

「……サム!」

 それは、キーブルグ侯爵家に居るはずの庭師のサムだった。どうして彼がこんな場所に居るの? という疑問が頭をかすめたけれど、今はそんなことを気にしている場合でもなかった!

「どうかなさったのですか? それに、その血は……」

 私の服や手は、アーロンの血で汚れていた……初対面の人は関わりたくないと目を背けて行ってしまうだろう。けれど、一年間とは言え私に仕えてくれた庭師サムならば、事情を聞けばわかってくれるはずだ。

 ああ……神様!