会えないままな軍神夫からの殺人的な溺愛

「義姉上……良い加減にしてください。兄上はもうすぐ死にます。これからは、俺に逆らうと不幸になりますよ」

 馬鹿にしたような笑いを浮かべたヒルデガードは、私が何も出来ないと侮っているらしい。

「だから、どうしたの?」

 彼の言葉を畳みかけるように怯まずにそう言ってから、ヒルデガードの目を真っ直ぐ見つめた。だから、どうしたの。それが……私は、実家に返されても構わない。

 今ここで、夫アーロンの命が救えるならば。

 怪我の痛みが酷いのか膝をついて座り込んだアーロンは出血のためか、顔色が悪い。早くこのヒルデガードを退け、彼を医者に診せなくては。