世界で1番愛して嫌い

「めっちゃかわいい」
「おもしろいしかわいいよね」

そう褒められることが増えた

「でしょ?︎^_^」

そう返せばみんなが笑ってくれる

自虐ネタを覚えて笑いも増えていた。

「また太っちゃってさーまじブタになる」

みんなが手を叩いて笑う

安堵のため息をつく

「お前そういうのおもんないよ」

空気が一変した。冷たい空気が流れる。

「もー遥斗なにいってるの!」

結菜の一言でまた空気がもどった

「そうだぞー!」
「どうしたのまじで笑」

あはは、、

笑えているだろうか、引き攣っていないだろうか。


鷹見遥斗。学年1イケメンと言われている私が大嫌いな相手だ。なんの努力もしないでイケメンとチヤホヤされる彼が憎たらしい。





もうすぐ高校1年生が終わろうとしている。
その事があった以降彼とは1度も話していない。

話したくもなかった。


「学級レクの打ち合わせするからHR委員長と副委員長は放課後教室に残って決めるように」

先生がそう言って教室から出ていった


「あたし彼氏とデートあるのーだからさ…」

何を言われるかはもう分かっている

「ねー美香おねがい!!」

「もーしょうがないな。ジュース奢りね?」

「やったー!!やっぱ美香最高!!」

今日は推しの配信があったけど、仕方ない。
私は嫌われるのが怖いから断ることができない。

放課後になった。

「なんでお前が残ってんだよ」

最悪。鷹見遥斗だ。そうだった忘れてた。

「結菜は彼氏とデートなの!」

明るく返すことが出来た。

「ほんとお前のそういうとこ嫌いだわ」

デリカシーもなくそんなことを言ってくる鷹見遥斗が本当に嫌い。ムカつく。

「別に遥斗に関係ないでしょ!あほ!」

「そういうとこだよ」

ほんとなんなの。

ピロン

私のスマホの通知音がなった

ロック画面から表示される通知を見る。
え?


一瞬で私の顔が暑くなった。鼓動が早くなる。怖い。
過去の記憶が一瞬で蘇る。


『美香の小学校の卒アルGETデブすぎ爆笑』

なんで?え?なんで??どうして。

知らない相手から送られてきたメッセージと写真。
それは私をどん底へと突き落とした。


視界が歪む。だめだ。ないたら。耐えなきゃ

私の頬を熱いなにかがつたって机に落ちた。
なにが起きたかはわかっていた。でも認めたくなかった

よりによってこいつの前で。最悪。泣き虫って言われるんじゃないか。またあの時みたいに



私の頭の上に大きな暖かい何かが置かれた。

え、?

「泣きたい時は泣けばいいだろ」

涙が溢れた。止まらなかった。
今までずっと我慢してきたこと、自分に嘘をつき続けていたこと、愛したくても心の底では自分を大嫌いだったこと。好きになりたかったこと。どうして私はこんなに辛いのか、分からなかった。どうしてわたしだけこんなに。

家では両親の喧嘩、それのとばっちり、お金の話ばかりで私の話なんて聞こうとしない。

初めて自分の居場所ができた。そう思った。
思ってしまった。

「遥斗…つらい」

初めて人に打ち明けた。心の底に隠していた私の本心

「…」

何も言わずに頭を撫で続けてくれた。

今の私にとって、とても救われることだった。

私は幼稚園児のように泣き続けた。小さな子供のように。

泣き虫なんて言われる、と恐れずに。





私が泣き止むと遥斗も私の頭を撫でるのをやめた。

「なんで泣き虫って言わないの?」

「泣くことは悪いことじゃないだろ。」

「私のこと嫌いなんじゃないの、?」

「自分に嘘ついてる美香は嫌いだ」
「でも…」

「でも?」

「なんでもない」

「ふふっ」

「何笑ってんの?笑」

「べつにー??」

新しい遥斗をしれた気がした。
新しい遥斗というよりも私が勘違いしていただけかもしれない。申し訳ない気持ちになる。

大きく息を吸った。

「ありがとう」