『こんな素敵なドレス、わたくしが着てもいいのですか?』
驚きながらも喜ぶメリルがかわいかったし、僕が選んだドレスに身を包んだメリルはたまらなく愛しかった。次はどんな服を着てもらおうか想像するだけで楽しくて、いつしか毎月デザイナーを執務室に呼び寄せ、ドレスを選ぶのが僕の趣味になっていた。もちろん、そんな事情はメリル本人に伝えられるわけもなく、使用人が勝手に発注をしていると説明がなされているものと思っていたが……。
「……けれど、ウォルター様がわたくしのために一生懸命悩みながらドレスを選んでくださったから、最近はオシャレが楽しいと思えるようになってきたんです」
メリルが言う。僕は思わず目を見開いた。
「悩んでなど……」
いない、と言いかけて、急いで口をつぐんだ。
この嘘がバレるわけにはいかない。元の口下手で冷たい夫のままだとわかったら、契約が終わり次第メリルは僕の元からいなくなってしまうだろう。僕はグッと拳を握った。
「いや、きっと以前の僕は着飾ったメリルを見るのが好きで、楽しくて、それでドレスを選んでいたんじゃないだろうか?」
――本当に、僕はただただ嬉しくて、楽しかったんだ。
次はどんな色合いのドレスにしようとか、生地の素材や触り心地、それからメリルの笑顔を想像しては、幸せな気持ちに包まれた。
『ウォルター様、新しいドレスが届いたので着てみたのです。似合っていますか?』
『……ああ』
ドレスが届くたびに僕に報告をして、着て見せてくれるメリルが大好きだった。気のきいた返事なんて一切できなかったけれど、それでも僕は嬉しかったんだ。
「わたくしもそう思います。それで今日は、ウォルター様に一緒にドレスを選んでほしいなって思って、誘ってしまいました」
「……そうか」
返事をしながら、目頭がグッと熱くなる。
こんな僕を受け入れてくれるメリルのことを、僕はどうしようもなく愛していた。けれど、そんな優しさに甘え続けるわけにはいかない。もうすぐ彼女を縛る契約はなくなってしまうのだから。
驚きながらも喜ぶメリルがかわいかったし、僕が選んだドレスに身を包んだメリルはたまらなく愛しかった。次はどんな服を着てもらおうか想像するだけで楽しくて、いつしか毎月デザイナーを執務室に呼び寄せ、ドレスを選ぶのが僕の趣味になっていた。もちろん、そんな事情はメリル本人に伝えられるわけもなく、使用人が勝手に発注をしていると説明がなされているものと思っていたが……。
「……けれど、ウォルター様がわたくしのために一生懸命悩みながらドレスを選んでくださったから、最近はオシャレが楽しいと思えるようになってきたんです」
メリルが言う。僕は思わず目を見開いた。
「悩んでなど……」
いない、と言いかけて、急いで口をつぐんだ。
この嘘がバレるわけにはいかない。元の口下手で冷たい夫のままだとわかったら、契約が終わり次第メリルは僕の元からいなくなってしまうだろう。僕はグッと拳を握った。
「いや、きっと以前の僕は着飾ったメリルを見るのが好きで、楽しくて、それでドレスを選んでいたんじゃないだろうか?」
――本当に、僕はただただ嬉しくて、楽しかったんだ。
次はどんな色合いのドレスにしようとか、生地の素材や触り心地、それからメリルの笑顔を想像しては、幸せな気持ちに包まれた。
『ウォルター様、新しいドレスが届いたので着てみたのです。似合っていますか?』
『……ああ』
ドレスが届くたびに僕に報告をして、着て見せてくれるメリルが大好きだった。気のきいた返事なんて一切できなかったけれど、それでも僕は嬉しかったんだ。
「わたくしもそう思います。それで今日は、ウォルター様に一緒にドレスを選んでほしいなって思って、誘ってしまいました」
「……そうか」
返事をしながら、目頭がグッと熱くなる。
こんな僕を受け入れてくれるメリルのことを、僕はどうしようもなく愛していた。けれど、そんな優しさに甘え続けるわけにはいかない。もうすぐ彼女を縛る契約はなくなってしまうのだから。



