(どうしてバレているんだろう?)
僕が指示をしていたと、侍女たちが伝えたのだろうか? そもそも、そんな内情は屋敷の極一部の人間しか知らないはずで、バレようがないと思っていたのに。
「すっごく優しいですよね」
「いや、そんなことは……」
恥ずかしい。僕を見つめて微笑むメリルから目を逸らしたくなる。
(いや、ダメだ)
それではメリルのことを忘れたと嘘を吐いた意味がなくなってしまう。僕は必死にメリルを見つめ返し、口角をあげた。
「だけど、メリルにそう言ってもらえて嬉しいよ」
そう返事をしたら、メリルはとても嬉しそうに笑ってくれた。
カフェを出たあとはメリルが新しい服を見たいと言うので、僕たちは店へ向かった。
「わたくしのお洋服は、いつもウォルター様が選んでくださっているんです。今着ているこちらのドレスも、ウォルター様からの贈り物なんですよ?」
「そ、そうなのか?」
返事をしながら思わず目が泳いだ。
おかしい。確かにメリルの服は僕が贈るようにしていたが、そんな裏事情を一体誰に聞いたのだろう?
「その……嫌じゃなかっただろうか? 本当は自分で選んだ服のほうがよかったのでは……」
「いいえ。わたくしには好みというものがあまりありませんし、結婚前は貧乏な生活を送っていましたから。ほんの数着、着心地のいい服があればそれでよかったんです」
「そうか」
メリルは実家では食うに困ることも多かったようで、結婚当初、ドレスは本当に数着しか持っていなかった。僕に嫁いでからも新しい洋服を欲しがることはなく、ならば……と僕からドレスを贈ることにした。
僕が指示をしていたと、侍女たちが伝えたのだろうか? そもそも、そんな内情は屋敷の極一部の人間しか知らないはずで、バレようがないと思っていたのに。
「すっごく優しいですよね」
「いや、そんなことは……」
恥ずかしい。僕を見つめて微笑むメリルから目を逸らしたくなる。
(いや、ダメだ)
それではメリルのことを忘れたと嘘を吐いた意味がなくなってしまう。僕は必死にメリルを見つめ返し、口角をあげた。
「だけど、メリルにそう言ってもらえて嬉しいよ」
そう返事をしたら、メリルはとても嬉しそうに笑ってくれた。
カフェを出たあとはメリルが新しい服を見たいと言うので、僕たちは店へ向かった。
「わたくしのお洋服は、いつもウォルター様が選んでくださっているんです。今着ているこちらのドレスも、ウォルター様からの贈り物なんですよ?」
「そ、そうなのか?」
返事をしながら思わず目が泳いだ。
おかしい。確かにメリルの服は僕が贈るようにしていたが、そんな裏事情を一体誰に聞いたのだろう?
「その……嫌じゃなかっただろうか? 本当は自分で選んだ服のほうがよかったのでは……」
「いいえ。わたくしには好みというものがあまりありませんし、結婚前は貧乏な生活を送っていましたから。ほんの数着、着心地のいい服があればそれでよかったんです」
「そうか」
メリルは実家では食うに困ることも多かったようで、結婚当初、ドレスは本当に数着しか持っていなかった。僕に嫁いでからも新しい洋服を欲しがることはなく、ならば……と僕からドレスを贈ることにした。



