***
意気込んで街に出た――はいいものの、僕は早速困ってしまった。
女性とデートに出かけた経験なんて、これまで一度もない。どこに連れていったら喜んでもらえるのか、どんな会話をすればいいのか、わからないことづくしだ。事前にプランを考えてはいたものの、いざ当日になってみると、自信がまったくなくなってしまう。
「ウォルター様、わたくしあちらのカフェに行ってみたいです」
と、メリルが僕の腕に手を添え、そう口にする。
「そ、そうか。それならメリルの行きたい場所に行こう」
助かった――こっそりそう思いながら、僕らは店へ向かった。
メリルが選んだカフェは、僕が事前にリサーチしていた店と同じだった。どこかレトロな落ち着いた雰囲気の店で、若者よりも年配者に好まれそうな店だ。けれど、コーヒーが美味しいともっぱらの評判だし、古き良きものを愛するメリルにも喜ばれるだろうと思っていたので、同じ店を選んでもらえて内心すごく嬉しかった。
店に入るとすぐ、窓際の席に案内される。僕はメリルをエスコートし、次いで自分の席に座った。
「こうしてウォルター様とお茶ができるなんて夢みたいです」
メリルが笑う。僕はドキドキしつつ、「以前の僕はどんな男だっただろう?」と問いかけてみた。
「そうですね……いつもお仕事で忙しくしていたので、ゆっくりお茶を楽しむ時間なんて取れないご様子でした。だけど、いつも私のために、いろんな産地から取り寄せた茶葉やコーヒー豆を用意してくれましたし、お茶菓子も季節に合わせてレシピを変えるよう使用人に指示してくださっていたんです。それも、ご自分で資料を取り寄せて、選んでくださっていたんですって」
「え? そ、そうだったのか……僕がそんなことを?」
返事をしながら、段々と頬が熱くなっていく。
意気込んで街に出た――はいいものの、僕は早速困ってしまった。
女性とデートに出かけた経験なんて、これまで一度もない。どこに連れていったら喜んでもらえるのか、どんな会話をすればいいのか、わからないことづくしだ。事前にプランを考えてはいたものの、いざ当日になってみると、自信がまったくなくなってしまう。
「ウォルター様、わたくしあちらのカフェに行ってみたいです」
と、メリルが僕の腕に手を添え、そう口にする。
「そ、そうか。それならメリルの行きたい場所に行こう」
助かった――こっそりそう思いながら、僕らは店へ向かった。
メリルが選んだカフェは、僕が事前にリサーチしていた店と同じだった。どこかレトロな落ち着いた雰囲気の店で、若者よりも年配者に好まれそうな店だ。けれど、コーヒーが美味しいともっぱらの評判だし、古き良きものを愛するメリルにも喜ばれるだろうと思っていたので、同じ店を選んでもらえて内心すごく嬉しかった。
店に入るとすぐ、窓際の席に案内される。僕はメリルをエスコートし、次いで自分の席に座った。
「こうしてウォルター様とお茶ができるなんて夢みたいです」
メリルが笑う。僕はドキドキしつつ、「以前の僕はどんな男だっただろう?」と問いかけてみた。
「そうですね……いつもお仕事で忙しくしていたので、ゆっくりお茶を楽しむ時間なんて取れないご様子でした。だけど、いつも私のために、いろんな産地から取り寄せた茶葉やコーヒー豆を用意してくれましたし、お茶菓子も季節に合わせてレシピを変えるよう使用人に指示してくださっていたんです。それも、ご自分で資料を取り寄せて、選んでくださっていたんですって」
「え? そ、そうだったのか……僕がそんなことを?」
返事をしながら、段々と頬が熱くなっていく。



