「……かわいい」
本当に。なんてかわいいのだろう。
これまで――この五年間言えずにいた本音をここぞとばかりに吐き出し、にやけた口元を手のひらで隠す。
鮮やかな桜色の瞳に、雪のように真っ白な肌、頬や唇は薔薇色に染まっていてあまりにも愛らしい。色素の薄い滑らかで美しい髪の毛に、折れそうなほど細く小さな体。けれどその中には春の日だまりのような温かくて大きな心が収まっており、僕の心を捕らえて離さない。
メリルは本当に愛らしくて優しい、素晴らしい女性だ。
それなのに、口下手な僕はこれまでメリルとまともに会話すらできなかった。必要最低限しか口をきかず、目を合わせることすらうまくできない。ともすれば『嫌われている』と受け取られても仕方のない行動だ。
けれど、メリルはそんな僕をおおらかな心で接し、受け入れてくれた。僕の態度を咎め正そうとする使用人たちにも『大丈夫だから』と微笑んでくれた。
そんな態度しか取れなかった過去の自分を愚かだと思うし、どうしようもないという自覚はある。
だからこそ、僕は自分を変えたかった。
メリルを忘れたふりをして、もう一度一から彼女との関係をやり直す。そうして、素直な気持ちをメリルに伝えたいというのが、僕が一世一代の嘘を吐くことにした理由だった。
「ウォルター様からそんなふうに言っていただける日が来るなんて……嬉しいです」
メリルはそう言って花のように笑った。そっと細められた瞳が、弧を描く唇が、あまりにも美しい。
本当に。なんてかわいいのだろう。
これまで――この五年間言えずにいた本音をここぞとばかりに吐き出し、にやけた口元を手のひらで隠す。
鮮やかな桜色の瞳に、雪のように真っ白な肌、頬や唇は薔薇色に染まっていてあまりにも愛らしい。色素の薄い滑らかで美しい髪の毛に、折れそうなほど細く小さな体。けれどその中には春の日だまりのような温かくて大きな心が収まっており、僕の心を捕らえて離さない。
メリルは本当に愛らしくて優しい、素晴らしい女性だ。
それなのに、口下手な僕はこれまでメリルとまともに会話すらできなかった。必要最低限しか口をきかず、目を合わせることすらうまくできない。ともすれば『嫌われている』と受け取られても仕方のない行動だ。
けれど、メリルはそんな僕をおおらかな心で接し、受け入れてくれた。僕の態度を咎め正そうとする使用人たちにも『大丈夫だから』と微笑んでくれた。
そんな態度しか取れなかった過去の自分を愚かだと思うし、どうしようもないという自覚はある。
だからこそ、僕は自分を変えたかった。
メリルを忘れたふりをして、もう一度一から彼女との関係をやり直す。そうして、素直な気持ちをメリルに伝えたいというのが、僕が一世一代の嘘を吐くことにした理由だった。
「ウォルター様からそんなふうに言っていただける日が来るなんて……嬉しいです」
メリルはそう言って花のように笑った。そっと細められた瞳が、弧を描く唇が、あまりにも美しい。



