かくして、しがない文官として一生を終えるはずだった僕の人生がガラリと変わった。
慣れない仕事に忙殺され、当主としてのプレッシャーに押しつぶされ、義母の顔色をうかがいながら生活をする日々。正直言って苦痛だった。
けれど、なにより大きく変わったことは、当主を継いで数カ月のうちに、僕のもとに驚くほどたくさんの縁談が舞い込んできたことだ。
『ぜひうちの娘と結婚してください』
『娘が侯爵様を慕っておりまして』
自覚はなかったものの、僕はある程度容姿が整っているらしい。爵位を得たことで、これまで僕を結婚相手の候補から外していた高位貴族から、ぜひにと手紙が来るようになった。
それだけならまだいい。
僕を使って侯爵家を自分の懐に取り込みたい――そういう思惑を持つ有力貴族が、縁談を持ちかけてくるようになった。
『うちの娘と結婚してくれたら――我が家なら、弟さんが成人して以降もあなたを侯爵家当主に据え置いてあげられますよ』
『一度手に入れた権力を手放すのは惜しいでしょう?』
彼らはそう僕にささやきかけてきた。こう言えば僕が縁談に応じると思われたらしい。
当然、義母は焦った。このままでは自分の息子――リーマスの未来が奪われてしまう。
慣れない仕事に忙殺され、当主としてのプレッシャーに押しつぶされ、義母の顔色をうかがいながら生活をする日々。正直言って苦痛だった。
けれど、なにより大きく変わったことは、当主を継いで数カ月のうちに、僕のもとに驚くほどたくさんの縁談が舞い込んできたことだ。
『ぜひうちの娘と結婚してください』
『娘が侯爵様を慕っておりまして』
自覚はなかったものの、僕はある程度容姿が整っているらしい。爵位を得たことで、これまで僕を結婚相手の候補から外していた高位貴族から、ぜひにと手紙が来るようになった。
それだけならまだいい。
僕を使って侯爵家を自分の懐に取り込みたい――そういう思惑を持つ有力貴族が、縁談を持ちかけてくるようになった。
『うちの娘と結婚してくれたら――我が家なら、弟さんが成人して以降もあなたを侯爵家当主に据え置いてあげられますよ』
『一度手に入れた権力を手放すのは惜しいでしょう?』
彼らはそう僕にささやきかけてきた。こう言えば僕が縁談に応じると思われたらしい。
当然、義母は焦った。このままでは自分の息子――リーマスの未来が奪われてしまう。



