【短編集】あなたのためを思って言っているのよ?

「いいの?」


 思い出せなくても、間違いかもしれずとも、それでもこの男性に――恋に縋ってもいいのだろうか?


「ええ」

 と、アレクシスが即答する。


「カレン様は私と一緒に幸せになる運命なんです。あなたには私の優しさを、愛情を、すべてを受け取っていただきます。もとよりあなたに拒否権はありませんから」


 アレクシスの言葉にカレンはクスクスと笑い声を上げる。


「ええ、そうね」


 カレンはアレクシスの胸に飛び込むと、満面の笑みを浮かべたのだった。