【短編集】あなたのためを思って言っているのよ?

「アレクシス殿下!」


 城内の応接室につくなり、父親と継母はアレクシスに深々と頭を下げた。この数日の間に、二人揃ってひどくやつれ、表情が疲れ切っている。一方、ドーラは不機嫌なのを隠すことなく、憮然とした表情でソファに腰かけていた。


「一体なにをしに来たんだ?」

「どうかお聞きください! カレンのことはすべて誤解なんです! どうか、どうか我が家への処分を考え直してください!」

「そうです! わたくしどもはあの子のことを、それはそれは可愛がっておりましたもの。ねえ、カレン?」


 継母がカレンに尋ねてくる。カレンは「え?」とつぶやいた。


「実は、カレンが痩せて見えたのは、殿下とはじめてお会いした数日前にドーラと喧嘩をして、食事が喉を通らなかったからなのですよ。血が半分しかつながっていないのに、とても仲のいい姉妹でしたから……ねえ、ドーラ」

「――そうですわ」


 ドーラはそう言ってニコリと笑う。非常に不服そうな笑顔だ。