***
「ヴェリーヌ様、この後少しお時間をいただけませんか?」
(またか)
それから数日後の放課後、ヴェリーヌはまたユーフェミアから声をかけられた。用事があると嘘をつくこともできるが、日程は延ばせたとしても、話から逃げることはできないだろう。仕方がない――ユーフェミアについていったヴェリーヌは、内心で大きくため息をついた。
「ヴェリーヌ様はご自分の将来について、どのようにお考えなのでしょう?」
「将来ですか?」
いつものように本題を切り出したユーフェミアは、困ったように首を傾げる。
「ほら、わたくしは王太子殿下との婚約が決まっておりますでしょう? あなたもそろそろ、婚約者を選ばなければならないと思いまして」
(盛っ大なお世話です!)
ヴェリーヌは感情が表情に出ないよう細心の注意をはらいつつ、ニコリと微笑んでみせた。
「公爵家の令嬢ともなれば、お相手は高位貴族に限られるでしょう? わたくしたちにふさわしい男性なんて、そう多くありませんもの。お急ぎになったほうがいいのではございませんか?」
けれど、ユーフェミアはヴェリーヌの気持ちなどお構いなしに、グイグイと押し迫ってくる。
「あの、私は別に――」
「まさか、恋愛にうつつを抜かして婚約を先延ばしにする、なんておっしゃいませんよね?」
ジロリ、とユーフェミアがヴェリーヌを睨む。ヴェリーヌはウッと息をのんだ。
「ヴェリーヌ様、この後少しお時間をいただけませんか?」
(またか)
それから数日後の放課後、ヴェリーヌはまたユーフェミアから声をかけられた。用事があると嘘をつくこともできるが、日程は延ばせたとしても、話から逃げることはできないだろう。仕方がない――ユーフェミアについていったヴェリーヌは、内心で大きくため息をついた。
「ヴェリーヌ様はご自分の将来について、どのようにお考えなのでしょう?」
「将来ですか?」
いつものように本題を切り出したユーフェミアは、困ったように首を傾げる。
「ほら、わたくしは王太子殿下との婚約が決まっておりますでしょう? あなたもそろそろ、婚約者を選ばなければならないと思いまして」
(盛っ大なお世話です!)
ヴェリーヌは感情が表情に出ないよう細心の注意をはらいつつ、ニコリと微笑んでみせた。
「公爵家の令嬢ともなれば、お相手は高位貴族に限られるでしょう? わたくしたちにふさわしい男性なんて、そう多くありませんもの。お急ぎになったほうがいいのではございませんか?」
けれど、ユーフェミアはヴェリーヌの気持ちなどお構いなしに、グイグイと押し迫ってくる。
「あの、私は別に――」
「まさか、恋愛にうつつを抜かして婚約を先延ばしにする、なんておっしゃいませんよね?」
ジロリ、とユーフェミアがヴェリーヌを睨む。ヴェリーヌはウッと息をのんだ。



